仏大統領選、サルコジ落選に関し

5/7、文化放送「夕焼け寺ちゃん活動中」、仏大統領選サルコジ落選に関し

岩上安身「…(サルコジが)不人気で、とりわけ下品であったという批判も多かったんですけど。それよりも、フランスというのは独自外交、独自の国家戦略を持ち、独自の政策を持ち、他国に影響されない、とりわけアメリカに影響されない、という事が誇りでもあった訳ですね。
それがアメリカ協調というかアメリカ追随をする、小泉型のリーダーだった。初めてなんですよ、こんなのは。
ここに財政緊縮を行なうという事、それから新自由主義的な様々な方策を採っていた事、自由貿易至上主義的な進め方をしていた事。
今の野田政権或いは前の菅政権からそうですけど、TPP推進で緊縮財政、増税をやるとか、そういった所と非常によく似ている。つまりアメリカ追従、アメリカの自由貿易至上主義の追従の一角を成してたんですね。
世界的にアメリカ追従がずぅっと拡がっていた、その一角が崩れたという事ですね。新自由主義、市場主義といったものの終わりを見せ始めた。」

(日本にも影響はありますかね)

岩上「僕はあると思います。
フランスにはエマニエル・トッドという有名な知識人がいるんですけど、…「自由貿易は民主主義を損なう」という本を書いています。つまり自由貿易は誰が言ってもいい事なんだ、疑うべき事無い功利のように言われてますけど、そうじゃない。
保護主義が民主主義を育てる。
保護主義は悪いというイメージが強いんですけど、実は閉じたり開いたり、自由に行ったり保護主義に戻ったり、調整する保護主義が必要だと。それが民主主義を育てるんだという事を言ってるんですね。
トッドはヨーロッパの文脈の中でも異質の知識人かも知れませんけれども、これからそうしたトッド的な考え方の人たちが拡がっていくかも知れません。」