5/23、JAM the world、財務省発表の4月の貿易統計で、貿易収支が5203億円の赤字であった事に関し

5/23、JAMthe world
財務省発表の4月の貿易統計で、貿易収支が5203億円の赤字であった事に関し、

堤未果
財務省が出すこうした数字と、私たちが報道から受けるイメージ、というのがありますよね。なんとなく貿易赤字が増えたというと、すごく日本が悪い方向に行ってるんじゃないか、大変だというイメージを持ちがちなんですけれども。じゃあ増税しないとやっぱりまずいのかなとか、日本が沈んでいくんじゃないかってイメージを持ちがちなんですけれども。

ちょうど2000年ですね、私がまだアメリカに居たんですけども、2000年の頃というのはアメリカの経常収支はすごい赤だったんですね。ところがあの頃のアメリカは最高潮の、ピークの、繁栄を謳歌していた時だったんですよ。同じ頃に日本は黒字を増やしていたけれども、あの頃日本は失われた20年とかそういう言い方をされてましたよね。つまり、貿易とか経常収支の黒字というのと、実体経済というのは必ずしもイコールになるとは言えない訳です。

じゃあ貿易とか投資とかで稼いだ黒字は何に使われるのか。国内の為に使えばいいじゃないかと私たちは思いがちなんですけれども、国内では使われないんですね。国外に流出していく。例えば、海外に投資をしたり、融資をしたり、援助をしたり、他の国の国債を買ったりしている訳ですね。一番使われるのは何かというと、アメリカの国債ですね。ですから日本の黒字が減って困るのは、日本の国内よりも、世界の中でいうとアメリカですよね。

赤字になったからと言って、すぐに日本の国内が大変だと言うよりは、一番困るのはアメリカなので、対アメリカとのやりとりの中でですね、赤字になってしまったので、これ以上思いやり予算は出せませんとか、これ以上輸出を自粛するのは難しいですとか、この間出たかんぽのがん保険の自粛も出来ませんとか。そういう形で交渉のカードに使えばいいんじゃないかというように思います。」