5/29、文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」、生活保護の保護率と捕促率について

5/29、文化放送吉田照美ソコダイジナトコ」、生活保護の保護率と捕促率について

内田誠
生活保護に関する問題が、急速に今クローズアップされた。芸人さんのお母さんが需給していた。芸人さんがそれなりに稼いでからも、扶養義務を果たしてなかったんではないかという言われ方をしてますよね。国会でも生活保護のシステムを見直した方がいいんだと、自民党などは保護額、支給される金額を10%差っ引けという風な事まで言い出してる。保護費がどうなるかというのは、実は社会保障制度審議会の中で現に議論されてる事なんですけれども。


考えなければいけないのは、生活保護は確かに色々問題がある事は確かだと思うんですね。労働意欲の問題であるとか、一旦受給が始まった場合に、生活扶助に関してはなかなか切り替えられないというような問題があったりする。それはそうなんですが、その事と、生活保護の制度自体が「これは食い物にされてるんだ」いう風な言い方はちょっと問題があって。

保護率と書きましたが、日本は2009年のデータで1.6%なんですね。非常に少ないです。
長妻さんが頑張って、相対的貧困率を出しましたよね。その数字が16%です。単純に合わせてはいけないんだとは思うんですが、もしその人達が本来保護に値するという風に考えたら、実に10分の1しか保護してないという事になるんですね。
不正受給の数もすごく多いとか大変な額になってるって風な言い方をするんですが、不正受給の率というのはですね、2009年で件数にして1.5%。金額にして0.33%。逆に言うとですね、利用者の98.5%、支給額の99.6%が適正に執行されてるという、極めて稀有な制度。そんな制度、他に無いですよね。

問題はもっと保護すべき人が沢山いるのに、水際作戦だとか色んな事で保護を拒んできた。その一つが扶養の問題もあるんですね。DVでひどい被害を受けてる奥さんが、旦那に保護して貰えと言われて。出来ませんよね。餓死の問題なんかも起こってる。こういう事を見過ごしたまま、生活保護はけしからんと言うのは、おかしいという風に思います。」