国連のラズース平和維持活動局長がシリアを内戦状態と認めた事に関し

6/13、J-wave「JAM the world」、国連のラズース平和維持活動局長がシリアを内戦状態と認めた事に関し、

堤未果
「このシリアの展開はですね、本当にデジャブを感じないでしょうか。去年、リビアカダフィがやられた時に、同じ様なパターンでやられましたよね。リビアに関わらず、歴史を振り返れば、例えばユーゴスラビアとか、アフガニスタンイラク、そしてリビア。軍事的な介入の前には必ず、片方を悪者扱いする報道が一方的に流されているんですね。

シリアの内部で、政府が反政府軍を弾圧しているという事で、国連からも証言が出てますけれども、実際シリア内部に入ったジャーナリストですとか、宗教団体ですとか、住民、そういう人たちの証言もかなり出ていて。その人たちの証言に依ると、住民や村を暴力的に制圧しているのは、実は武装集団であると。で、その武装集団というのはほとんどが外国人である、という証言が出てるんですね。

これはリビアの時と全く同じで、あの時も反政府軍と呼ばれている人たちは、実はほとんどが外国人で、そこに西側が武器を供給していた、それから訓練をしていたという事が、後からどんどん出て来て。加えて反政府軍にあの時も、NATOがてこ入れして、かなりリビア国内を爆撃しましたよね。今その事で、あの爆撃が本当に正当性があったのかという事で、アメリカ議会で問題になっていましたけれども。

全くシリアも同じパターンで、反政府軍に武器を供給している。サウジアラビア経由で供給しているアメリカ政府があったり、トルコが武装集団を訓練していたり。色んなバックグラウンドに、色んな国の思惑がある訳ですね。

やっぱりこれは過去からパターンとして見なければいけないなと思うのは、イラクリビアもそうだったんですけれども、反政府軍NATOが政府庁舎を爆撃したり、輸送機関ですとか石油パイプラインを破壊して、教育・医療機関、水や電気、そういったライフラインも全部破壊してですね。
全部破壊し尽した後で、それを「民主化」という形で「解放しました」という報道をして、その後一体何が起きて来たのか。今までのパターンですと、例えばユーゴスラビアとかイラクとかでは、大体、多国籍企業がどんどん入って来て、色んな資源なんかを買ってしまったり、全部手中に収めるというパターンがずうっと続いています。

ですからこれは、どちらが白黒という事ではなくて、色んな見方がある。だから、全く報道を一方的に鵜呑みにしないで、反対側からの物も見てみる事。で、きちっと比較する事。それから過去からのパターンで似た様なものが無かったか。どこが武器を供給しているのか。反政府軍というのは一体誰なのか。こういった事を相対的に見ていかないと、同じ様なパターンがどんどん繰り返されるのではないかという気がします。」