水俣病に関し、5/2J-wave「JAM the world」で

堤未果
「この水俣病の問題、私が小学校の時に社会の教科書に載っていたという、ずっと長い事続いている問題なんですね。
ちょうど昨日5/1に水俣病公式確認から56年が経ったということで、熊本県水俣市で犠牲者の慰霊式があったんですけれども。

問題になっているのは、7月末に国の被害者救済策の申請締切りがやってくる。「出来るだけ助けます」という方向では言っているんですけれども。「水俣の認定基準に引っかからない患者に一時金として210万円支給する」という事の締切が出来ていると。

じゃあ8月以降はどうするのか。
国はこれを最終解決としたいという事なんですけれども、この特措法の対象地域以外でも被害者がいるという事が、少しずつ明らかになってきている。

なぜ私たちが水俣病の問題をしっかり見なきゃいけないかと言うと、今後原発被災者に起こりうる事を映し出していると思われます。
例えば株主が優遇される仕組み、これも変わってないです。
患者は2011年の時点で推定5万人以上ですけれども、目に見えない所でこんなに沢山患者がいたというのを社会は知らなかった。昭和34年に水俣病の原因がメチル水銀だという事が明らかになった訳ですけれども、その後43年まで海に流し続けていた。漁業や、魚介を食べる事への警告も出されず、汚染された魚が流通され続けた。政府はこの時も、国民に正確な情報を知らせてない訳ですね。

一つだけ水俣原発違う事は、水俣はきちんとした健康調査が行なわれていない、原発事故は少なくとも健康調査は行なうと言っている訳ですから。

「どういう形で」、「誰が」、「どんな風に」、「どんな期間」、健康調査を行なって、その情報がどんな風に公開されるのか。ここまで私たちは監視すべきだと思います。同時に水俣については決して風化させずに、過去からの続きとして今を見ていくという事が大事ではないかと思います。」